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  無電解銅めっきの研究から生まれた
瞬時に大量の銀ナノ粒子を作製する方法
   
 
 
 
地方独立行政法人 大阪市立工業研究所
電子材料研究部長
兼 表面処理研究室長
博士(工学)  藤原 裕
 


水溶液中還元プロセスに取り組む藤原部長に聞く!


■どのようなアプローチでナノ粒子製法を研究開発しているのですか?

金属イオンを反応試剤とする水溶液中還元プロセスという方法に取り組んでいます。スズの錯イオン水溶液と硝酸銀の水溶液を混ぜると、スズ錯イオンがナノ粒子の保護層として機能し、0.1秒以内という短い反応時間で大量の銀ナノ粒子を作製できるのです。この製法には、10nm以下の銀ナノ粒子もしくは、ずっと大きなサイズのものしかできないというユニークな特徴があります。


■なぜ、このような製法を選んだのですか?

この製法を見いだしたのは、まさに偶然の賜物です。もともと私はめっきについて研究しており、スズと銀の合金めっきを作るために試行錯誤していました。その過程で、銀ナノ粒子ができることを発見したのです。このように、意図せぬところから新たな展開が生まれていくというのは、面白いですね。


■めっきについては、どのような研究をされているのですか?

プリント配線基板には、まず無電解銅めっきが施されます。従来のパラジウム系めっき開始触媒では、配線形成後に無電解銅皮膜を溶解した際、パラジウムが基板表面に残留してしまうという問題があります。また、パラジウムはコストの面でもベストな材料とは言えません。そこで、より高性能かつ安価で環境に優しい無電解めっきの開発に取り組んでいます。


その研究の醍醐味は、どんなところですか?

応用の幅が広いところですね。めっきは、日用金属製品の装飾や耐腐食性向上のために用いられるのはもちろんのこと、コンピューターのCPUの半導体の中身、ハードディスクのヘッドなどにも使われています。めっきという一つの言葉で、装飾品を光らせる技術からハードディスクの読み書きをする技術まで、幅広い領域を語ることができるのです。
銀ナノ粒子は、本事業においてもめっきの研究においても重要な位置を占めるため、その製法の研究開発には今後も力を入れていきたいと考えています。

 
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